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かつて富山湾の海底には深い谷があり、主が棲んでいるといわれ、人々は「錨の溝」と呼んでいた。ある日、魚津の網元・彦左衛門のもとに侍が訪ねてきて「私は、錨の溝の主の皇子、結婚をするので婚礼に使う道具を借りたい」と願った。侍の正体は、以前漁師だった彦左衛門が助けた錨の溝の主の子ども。それが分かり、家宝でもあった婚礼の道具を貸すことにした。婚礼の後、有磯海が突然荒れることはなかったという。